【2023年版】カナダ全土の固定資産税の違い
2023年も、2022年に続いて、カナダ中央銀行の政策金利が引き上げられ、カナダ全土で上昇する住宅価格と組み合わさり、ファーストタイムバイヤーにとって手の届く住宅価格(Affordability)が最優先事項となっています。さらに、住宅価格だけでなく、住宅の保有費用も注目すべきポイントです。
その中でも、特に大きなウェイトを占めるのが、プロパティタックスと呼ばれる固定資産税です。
カナダ全体でも、各州や市場によって平均的な住宅価格が大きく異なるように、固定資産税も幅広く異なります。住宅の評価額と市によって設定される「Mill Rate」と呼ばれる税率に基づき、固定資産税が計算されます。現在の居住地から他の州や市に移動し、新たな住宅を購入する際には、住宅価格だけでなく、固定資産税の違いも把握しておくべき情報です。
また、モーゲージの融資可能額を計算する際には、固定資産税も支出として考慮されるため、固定資産税が高い地域への引っ越しは、モーゲージの融資可能額に影響を及ぼします
それでは、どの地域で固定資産税を節約できるのでしょうか?
カナダ全土の25都市において、平均価格の住宅(50万ドルおよび100万ドル)に対する固定資産税額をまとめた資料をご紹介します。
(参考:zoocasa.comより)
最も低い固定資産税のTop4はBC州
固定資産税の低い都市は、バンクーバー、アボッツフォード、ケロウナ、ビクトリアです。これらの都市はいずれも、固定資産税率が0.5%未満であり、他の主要都市に比べて税率が低い特徴を持っています。たとえば、バンクーバーの平均住宅価格が118.8万ドルであるにもかかわらず、年間の固定資産税は3,303ドルとなります。これに対して、同じ価格帯の住宅を持つトロントの住民は、年間7,969ドルという倍以上の固定資産税を支払うことになります。 モントリオールも、低い固定資産税率(0.5305%)でトップ5にランクインしています。平均住宅価格が約51.9万ドルであるモントリオールにおいて、年間の固定資産税は2,754ドル程度と、平均価格に対する最も低い税金額です。同様に、平均価格の住宅に対する固定資産税率の低い都市として、セントジョンズも挙げられます。セントジョンズの平均住宅価格が28万ドルであるにもかかわらず、年間の固定資産税は2,997ドルとなります。
プレイリーズ地域と大西洋海岸は最も固定資産税が高い地域
バンクーバーやトロントの平均住宅価格よりも低い地域でも、固定資産税率が高い場所が存在します。ウィニペグはその一例です。ウィニペグは、他の都市に比べて固定資産税率が高く(2.6439%)、平均住宅価格がウィニペグの場合、34.46万ドルとなります。この場合、年間の固定資産税は9,111ドルにも上ります。ウィニペグの固定資産税は、エドモントン、ケベック、カルガリー、ビクトリア、ケロウナの各都市の住民が平均価格の住宅に対して支払う固定資産税の倍以上となります。
ソーオルト・セント・マリーも、高い固定資産税率(1.72%)を持つ都市の一つです。平均価格の住宅において、年間の固定資産税は4,759ドル程度です。同様に、シャーロットタウン(1.67%)とセントジョン(1.62%)も高い税率を持っていますが、住宅価格が35万ドル未満のため、オンタリオ州のほとんどの地域よりも平均価格の住宅に対する固定資産税が低いです。
なお、平均住宅価格において、最も高い固定資産税はゲルフという都市です。1.229079%という税率に基づき、平均住宅価格が82.4万ドルの場合、年間の固定資産税は$10,134に達します。同様に、バーリントンも0.861440%の税率に対して、平均住宅価格が108.6万ドルの場合、年間$9,359もの固定資産税がかかることになります。
いかがでしょうか。固定資産税も住む地域によって大きく異なります。不動産の購入を検討する際には、不動産価格だけでなく、その他にかかる必要経費をきちんと説明してくれる専門の不動産エージェントやモーゲージブローカーとの相談をお勧めします。
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