【3分でわかる】新しい住宅購入支援制度FHSAについて
カナダでは、Home Buyer’s Plan(ホームバイヤーズプラン)、First-Time Home Buyer Incentive(ファーストタイムホームバイヤーインセンティブ)など、初めて住宅を購入する方に向けて、さまざまな制度があるため、混乱される方も多いのではないでしょうか?
そしてさらに、2023年4月1日より、ファーストタイムホームバイヤー向けの新しい貯蓄制度が加わります。その名も「Tax-Free First Home Savings Account」、略して「FHSA」です。
この制度により、初めての住宅購入者は、年間8000ドル、生涯拠出限度額は40,000ドルを、非課税で貯蓄することが可能になります。
FHSAは、RRSP(Registered Retirement Saving Plan)のように、拠出金は税額控除の対象となり、最初の住宅購入のための引き出しは、投資の利益を含めて、TFSA(Tax Free Saving Account)のように、非課税となります。まさに、RRSPとTFSAのメリットを併せもった、ハイブリットの住宅購入支援制度の貯蓄口座となります。
それでは、以下でこの制度の主な詳細、資格要件などを含め、掘り下げていきます。
FHSA口座開設の条件は?
◎ 18歳以上のカナダ居住者
◎ はじめて不動産を購入する人、または、口座を開く前の過去4年間、自身または配偶者が所有している家に居住していないこと
拠出限度額はいくら?
◎ 1年間に最大可能入金額は$8000、入金額が$8000未満の場合、
枠が次年度に繰り越しが可能
◎ 最大$40,000入金可能、夫婦で最大$80,000入金可能
◎ 入金可能額より、多く入金した場合、毎月1%が課税対象
また、個人は複数のFHSA口座を持つことができますが、合計の拠出限度額を超えることはできません。
FHSAでは、どのような投資が可能か?
FHSAの投資オプションに関する規則は、TFSAに適用される規則と同じになります。口座保有者は、投資信託、上場証券、国債、社債、投資保証証券(GIC)などに資金を投資することができます。
FHSAの引き出しの条件
FHSAの資金は、適格な住宅購入に使用される限り、非課税で引き出すことができます。その引き出しの条件は以下になります。
◎ はじめての住宅購入であること
◎ 引き出し時にカナダに居住していること
◎ 引き出した翌年の10月1日までに、対象となる住宅を購入、または建設に関する書面に合意すること。
◎ 引き出す30日以上前に、対象住宅を購入していないこと
◎ 購入、または建設してから1年以内に、その住居を本宅として使用する、または、本宅として居住する意向があること
◎ カナダ国内の家を購入すること
また、購入のための引き出しは、一度にまとめて行うことも、何度かに分けて行うことも可能です。また、引き出したあと、FHSAの口座に残高がある場合は、RRSPもしくは、RRIFにペナルティなしで移行することができます。この場合、余った資金は翌年の12月31日までに送金する必要があります。
住宅を購入しなかった、もしくはFHSAの資金を利用せずに住宅を購入した場合
FHSA口座の資金が、a) プラン開設後15年目の年末、またはb) 71歳になった年の年末のいずれかまでに最初の住宅購入に使用されなかった場合、FHSAの口座を解約する必要があります。
利用しなかった残高は、RRSPやRRIFに移したり、収入とみなして課税ベースで引き出したりすることができます。
以上、FHSAの主な概要は知っていただけましたでしょうか?
FHSAについて、より詳しい情報をお知りたい場合は、カナダ政府のサイトでご確認ください。
FHSAは、将来カナダで住宅購入を考えられている方にとって、大変有益な口座・制度になります。 ぜひ、ご活用をご検討ください。
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