なぜアメリカの金利がカナダで家を買う私たちに関係あるの?
- natsukigash
- 43 分前
- 読了時間: 4分
「アメリカの経済ニュースなんて、カナダで家を買う自分には関係ない」と思っていませんか?実は、モーゲージ金利や借入条件は、アメリカの金利や経済政策に大きく影響されます。
この記事では、最近話題になっているアメリカの税制改革、財政赤字、債券市場の動きが、カナダで家を買いたい人にどんな影響を与えるのかを、できるだけわかりやすく解説します。

アメリカの税制改革って何?
最近、アメリカのトランプ大統領が推し進める大型の税制改革が話題です。この法案は、税金を減らしたり、政府の支出を増やしたりする内容で、経済を一時的に盛り上げる可能性があります。でも、問題はこれがアメリカの財政赤字を増やすこと。専門家によると、今後10年で3兆ドル(約400兆円)以上赤字が増えるかもしれないと言われています。
この赤字の増加は、債券市場に影響を与えています。たとえば、30年物の米国債の利回りが5.161%まで上昇し、2023年以来の最高水準になりました。これは、投資家が「アメリカの財政は大丈夫かな?」と心配しているサインです。
債券市場の動きとカナダへの影響
アメリカの債券市場が揺れると、カナダにも影響が及びます。なぜなら、債券の利回りが上がると、モーゲージの金利も上がりやすくなるからです。カナダで家を買うとき、モーゲージの金利が高くなると、月々の返済額が増えたり、借りられる金額が減ったりして、家の購入が難しくなることがあります。
さらに、アメリカの経済政策やインフレ(物価の上昇)の懸念が強まると、カナダの金融環境も不安定になる可能性があります。たとえば、カナダ政府は住宅供給を増やそうとしていますが、金利が上がるとその計画にも影響が出るかもしれません。
日本の影響と世界のつながり
日本はアメリカの国債を大量に保有しています(2025年3月時点で約1.13兆ドル)。これまで日本の投資家は、日本国内の超低金利環境を背景に、高い利回りを求めて米国債に多く投資してきました。しかし、最近の動向で状況が変わりつつあります。
日本銀行(日銀)が国債の購入を減らしているため、日本の債券市場では20年物国債の需要が減り、利回りが上昇しています。市場は新たな国債を吸収する余力が減っており、特に40年物のような超長期債の発行を抑える動きも検討されています。
この日本の利回り上昇は、大きな影響を及ぼします。国内の債券が魅力的になると、日本の投資家が「米国債より日本の債券のほうがいい」と考えて、資金を日本に戻す可能性が出てきます。こうなると、米国債の需要が減り、米国債の価格が下がる(=利回りが上がる)ため、米国債市場にさらなる圧力がかかるかもしれません。
この動きはカナダにも影響します。米国債の利回りが上がると、カナダのモーゲージ金利も上昇し、家を買うコストが増える可能性があります。つまり、日本の金融市場の変化が、遠くカナダの住宅市場にもつながっているのです。
ヘッジファンドや銀行の動き
最近、米国債市場ではヘッジファンドが大きな役割を果たしています。彼らは「ベーシス取引」という手法で、債券を安く買って高く売る戦略を使い、市場を動かしています。また、アメリカでは銀行がもっと国債を買いやすくする規制緩和の案(SLR緩和案)も出ています。これが実現すると、市場がさらに活発になる一方で、リスクも増える可能性があります。
カナダの住宅市場への影響
米国の信用格付けが下がると(ムーディーズという格付け会社が懸念を示しています)、世界中で金利が上がりやすくなります。カナダのモーゲージ金利が上がれば、家の購入やモーゲージの返済がさらに難しくなるかもしれません。
カナダ政府は住宅供給を増やす努力をしていますが、アメリカの経済の影響で計画が思うように進まない可能性もあります。
私たちが気をつけるべきこと
アメリカ発の経済ニュースが、カナダの住宅市場に与える影響は無視できません。今後を見据え、以下の点を意識しておくことが重要です:
モーゲージ金利の動向:借入額や返済額に直結
アメリカの財政政策:税制改革や赤字の拡大がどうなるか注目。
世界の投資家の動き:日本や他の国の投資家が米国債をどう扱うかで、市場の流れが変わります。
リスク管理:金利上昇や市場の変動に備えて、賢くお金を管理しましょう。
まとめ
アメリカの金利や経済政策は、カナダの住宅市場にも影響を与えます。モーゲージ金利が上がれば、家を買うのが難しくなるかもしれませんし、投資の価値も変わる可能性があります。今後、アメリカの財政や債券市場の動向をチェックしながら、賢いお金の計画・管理を心がけましょう。
コメント