モーゲージ金利はなぜ変わる?知っておきたいモーゲージ金利の仕組み
- natsukigash
- 11月7日
- 読了時間: 3分
今回は、「モーゲージ金利はなぜ動くのか」「何が金利に影響しているのか」について、わかりやすく解説します。モーゲージを組む・更新する前に知っておきたい情報です。

モーゲージ金利が動く仕組み
1. カナダ債券利回り
モーゲージ、特に固定金利型の場合、カナダ5年国債の利回りは重要な指標です。貸し手はこの利回りをもとに、信用リスクや運営コスト、利益などを加えた「スプレッド」を上乗せして金利を設定します。
債券利回りが上がる → 固定金利も上がる傾向
債券利回りが下がる → 固定金利も下がる傾向
中期(3~5年)の利回りが特に影響します。
2. カナダ銀行(BoC)の政策金利
BoCのオーバーナイト政策金利は、銀行同士の貸し借りに使われる金利です。これがプライムレートに影響し、変動金利型モーゲージやHELOC、調整型モーゲージなどに反映されます。
金利を上げる → 借入や消費を抑制
金利を下げる → 経済活動を促進
変動金利型はプライムレートに連動するため、固定金利よりBoCの動きに敏感です。
3. なぜモーゲージ金利は債券利回りより高いのか?
固定金利は常に債券利回りより高めです。その理由は以下のリスク・コストをカバーするためです。
デフォルトリスク(返済不能のリスク)
管理コスト
早期返済リスク(借り換えや早期返済による影響)
流動性リスク
利益確
この「債券利回りとの差(スプレッド)」は、マーケット状況やリスク認識によって変動します。
4. その他の影響要因
モーゲージ金利には以下の要素も影響します。
インフレ予想
世界経済の動向(他国の金利や債券需給など)
財政政策や政府債務発行
モーゲージ貸し手間の競争
利回りが安定または下落している場合、競争によって金利は下がる傾向があります。逆に利回りが上昇すると、貸し手が先回りして金利を引き上げることもあります。
注意すべきリスクと不確実要素
インフレのサプライズ 目標を上回る、または世界的なエネルギー価格や供給問題でインフレが上がると、債券利回りが急上昇し、BoCが利下げを見送ったり利上げする可能性があります。
世界の金利環境 米FRBや欧州中央銀行などの動きは債券市場に影響します。海外金利が高い場合、カナダ国内でも利回りが上がることがあります。
政府の債務発行・財政政策 大規模な国債発行は債券供給を増やし、利回りを押し上げる要因になります。
住宅市場とモーゲージ更新 低金利時に組んだモーゲージは今後数年で更新時期を迎えます。更新時に金利が高いと返済負担が増え、消費や経済全体に影響する可能性があります。
モーゲージを考えるときのポイント
固定金利モーゲージを検討中の場合
債券利回りがピークに近いと考える場合や、更新リスクに備えたい場合、早めに固定金利をロックインするのも選択肢です。
(注意:固定金利は、ペナルティが変動金利よりも高くなる場合が多いです。金利だけではなく、将来のプラン(売却や借り換え)等も考慮する必要があります。)
変動金利やHELOCをお持ちの場合
ある程度の変動リスクを受け入れられるなら、BoCの利下げ恩恵を受けられる可能性があります。ただし、インフレの動向には注意してください。
モーゲージ更新時
更新に向けた相談は早めに始めましょう。現在の金利と提示される金利の差(スプレッド)が大きくなる場合があります。(目安は満期日の3カ月前)
債券利回りやBoC声明を注視する
インフレ率、雇用統計、世界的リスク(貿易や商品価格)などをチェックすると、金利動向のヒントになります。
モーゲージ金利は単なる数字ではなく、世界経済や政策、債券市場などさまざまな要素が影響しています。来年以降の動向を知っておくことで、より安心してモーゲージを組む・更新することができますよ。
















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