OSFIがモーゲージのルールを更新!賃貸物件の審査にどう影響する?
- natsukigash
- 10月6日
- 読了時間: 3分
カナダの銀行規制当局、**OSFI(Office of the Superintendent of Financial Institutions)**が、モーゲージの資本ルール(CAR:Capital Adequacy Requirements)を更新しました。特に賃貸用物件向けモーゲージに関するルールが明確化され、投資用物件を持つ人には知っておきたい内容です。

今回の変更で何が変わるの?
OSFIは、「ある物件の収入を使ってモーゲージ審査をした場合、その収入を別の物件の審査には使えない」という発表をしました。
例えば、A物件の賃貸収入を使ってモーゲージを組んだ場合、B物件を購入する時に同じ収入を使うことはできません。
銀行は、収入の50%以上が賃貸収入なら、そのモーゲージを「収益物件モーゲージ」として分類します。これは以前からのルールですが、今回改めて明確化されました。
収益物件モーゲージは銀行にとってリスクが高いと見なされるため、銀行は少し多めに資本を準備する必要があります。結果として、金利がわずかに上がる可能性があります(目安として0.05%程度)。
影響はどれくらい?
ほとんどの人にとっては、月々の支払いが少し増える程度です。最終的には家賃として借主に転嫁される場合もあります。
ただし、収入の使い方によっては、「ギリギリで物件を買えるかどうか」という人には影響が出る可能性があります。
他の注目ポイント
OSFIの最終ガイドラインでは、モーゲージ以外にもいくつかの変更があります:
1. 複合ローン商品(CLP)
1つの物件に対して複数のローン(例えばモーゲージ+ホームエクイティローン)を組んでいる場合、1つのローンで支払いが滞ると、同じ物件に担保された他のローンも影響を受けるというルールです。
借り手への影響支払いが遅れたり、返済不能になった場合、複数のローンがまとめて影響を受けるので注意が必要です。
2. 新規IRB銀行の資本フロア
資本フロアとは、銀行が安全に運営するために最低限持っておかなければならないお金(自己資金)の割合のことです。
銀行はお金を貸したり投資したりしますが、万が一損失が出てもすぐに倒れないように、ある程度の自己資金を持っている必要があります。
この「最低限の自己資金のルール」が資本フロアです。
資本フロアが高いと、銀行はリスクの高い貸出を控える傾向があります。
💡 簡単に言うと「銀行が安全に運営するために絶対に残しておくお金のルール」のことです。こちらに関しては、実績のある貸し手からモーゲージを組めば、借り手にって大きな影響はなさそうです。
3. 米国政府支援機関(GSE)との整合性
米国のルールとできるだけ揃えるように、銀行が扱う資産やローンのルールを調整します。
借り手への影響直接的な影響は少ないですが、将来的にモーゲージの基準や金利の設定に間接的に反映される可能性があります。
4. 市場リスクルールの更新
国債などの安全資産に対するリスク評価(デフォルトリスク)が見直され、より正確に管理されるようになりました。
借り手への影響これも直接の影響は少ないですが、銀行が保有資産をどう評価するかに影響するため、将来的に貸出条件や金利設定に反映される可能性があります。的にモーゲージの基準や金利の設定に間接的に反映される可能性があります。
今後の動き
OSFIは2026年1月に「信用リスク管理(CRM)ガイドライン」の草案を公開予定です。
これにより、モーゲージ・商業不動産ローン・法人融資のガイドラインが1つにまとまり、より分かりやすく、現状に合わせてアップデートされます。
まとめ
賃貸用物件モーゲージを組む場合、収入の使い回しはできない
収益物件モーゲージは銀行にとって少しリスクが高くなるので、金利がわずかに上がる可能性
ほとんどの人には大きな影響はないが、収入ギリギリの人は注意
投資用物件を検討している方は、このルール変更を押さえて、事前にモーゲージブローカーと相談しておくのが安心です。















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