知っておきたい、モーゲージ用語- ②
住宅購入とモーゲージの契約は将来への重要な投資ですが、実際にはカナダ人であっても74％の人がモーゲージ契約の用語や内容について理解していないという調査結果があります。
モーゲージを組む前に、少しでもモーゲージ用語の基礎知識を身につけることは、知らないままモーゲージを組んでしまうリスクを軽減できるかもしれません。
前回の記事で紹介したモーゲージ用語①に続いて、今回はモーゲージ用語②をご紹介します。
Adjustable Rate Mortgage (ARM): 変動金利モーゲージ
モーゲージの月々の支払いが、プライムレートに差異を加えた、もしくは差し引いた金利になります。ARMの変動金利モーゲージでは、VRMの変動金利モーゲージとは異なり、プライムレートが変わるたびに、モーゲージの支払いが自動的に調整されます。したがって、プライムレートが変わるたびに、モーゲージの支払額も変わることになります。
Variable Rate Mortgage (VRM) : 変動金利モーゲージ
上記のARMと同様に、金利がプライムレートに基づいて変動します。しかし、ARMと異なり金利の変動ごとに月々の支払い額が変動されない為、金利が上昇した場合、償還期間が延長されたり、またトリガーポイントに達した場合は調整が必要となります。この場合、取引銀行に連絡をして、支払い額・タームの見直しを行うことが重要になってきます。
Benchmark Rate：ベンチマーク金利
カナダ中央銀行によって設定されたストレステストの基準金利を指します。この金利は時折調整されることがあります。住宅ローン保険つき（Insured, Insurable)のモーゲージを組む場合、ストレステストで基準の数値（GDS/TDS）に満たす必要があります。この際、ベンチマーク金利もしくは、Qualifying Rates（契約金利+2％）のうち、どちらか高い方を利用して支払能力を計算します。
Interest Rate Differential (IRD)：金利差額
固定金利において、借り手が契約条件に同意された以上の繰り越し返済を行ったり、モーゲージのタームを途中でキャンセルする場合に発生する追加金利のことです。IRDは、本来支払われるべきだった利息の差額を補償するために設定されます。ただし、IRDの計算方法や金利は、金融機関や契約条件によって異なることがあります。
Adjustment Date: 利息調整日
モーゲージの利息が開始される日付を指します。通常、月払いを選択した場合、最初のモーゲージの支払い（元本＋利息）は、利息調整日から１か月後になります。２週間毎の支払いを選択した場合、最初のモーゲージの支払いは調整日から２週間後となります。
Bridge Financing ：ブリッジローン
不動産の売却が確定した後、新しい不動産を購入し、売却のクロージング日（契約成立日）の前に新しい不動産のクロージング日までの期間をカバーするための融資です。このようなローンは、売却予定の不動産に基づいて設定され、所有者が新しい不動産を購入するための資金を利用できるようにします。ブリッジローンを利用するには、売却が確定した売却契約が必要です。詳しくはこちら
Collateral Charges：担保
クロージングの時に、必要なモーゲージ額よりも多い金額で、モーゲージを登記することで、将来さらに借入が必要になった際に、法的手続きの必要がなく、融資を受けることができます。Collateral Chargesの例としては、Line of Credit (HELOC)などにあたります。
Equity : エクイティ
不動産物件などの資産の利益の総額で、家の市場価値から未払いの債務を差し引きます。
HELOC: ヒーロック
ホームエクイティ・ライン・オブ・クレジット（Home Equity Line of Creddit )は、貸し手が合意したターム内で最大金額を貸し付けることに同意するローンで、担保として、借り手の不動産物件を担保とします。利用用途は自由で、借り手が必要な時に、必要な金額を引き出すことができます。
Loan-to-Value ：借入比率
不動産の価値に対する、モーゲージの金額の比率です
Portable Mortgage ：ポータブルモーゲージ
現在の物件のモーゲージを新しい物件に移すことができます。しかし、ポータブルが可能なモーゲージとそうでないモーゲージがあります。
今回は、モーゲージ用語のほんの一部をご紹介しましたが、金融機関によってガイドラインが異なるため、用語のみで理解するのは難しいことがあります。
また、モーゲージの契約内容は大切な取引です。契約内容や条件を理解し、不明な点があれば質問することをお勧め致します。
